
先に結論
- タイヤのバルブは、空気を入れる口の部品です。ゴムのものは熱や紫外線で傷むので、タイヤ交換と一緒に替えるのが理想とタイヤメーカーは説明しています。
- ブリヂストンは、交換の目安を2〜3年としています。ただ、環境で変わるので、年数だけでなく状態も見てください。
- バルブを替えるには、タイヤをホイールから外す作業が要ります。このためタイヤ交換のときに一緒に替えると、作業が重なりません。
- 根元のひび、傾き、空気の減りがあれば点検の時期です。急に空気が抜けるときは走らないでください。
- バルブの交換は専用の機械が要るので、自分でやらず、店に頼んでください。
タイヤのバルブとは?何をしている部品?
タイヤに空気を入れる口で、入れた空気を外へ逃がさない部品です。エアバルブとも呼ばれます。ホイールから外へ少し飛び出している、キャップの付いた部分です。小さな部品ですが、ここから空気が漏れると、タイヤの空気圧が下がります。
バルブは、大きく3つの部品でできています。
| 部品 | 役割 |
|---|---|
| バルブ本体 | ホイールの穴に付いて、すき間から空気が漏れないようにする |
| バルブコア(ムシ) | 中にある弁。空気を入れるときだけ開き、ふだんは閉じている |
| バルブキャップ | 砂、ほこり、水が中に入らないようにふさぐ |
ゴムバルブと金属バルブは、何が違う?
純正のホイールの多くはゴムバルブで、社外のホイールや高級なホイールには金属バルブもあります。ダンロップやヨコハマタイヤの用語の説明でも、大きくこの2種類に分けています。
| ゴムバルブ | 金属バルブ | |
|---|---|---|
| 別の呼び方 | スナップインバルブ | クランプインバルブ |
| 使われる所 | 多くの純正ホイール | 社外のホイール、高級なホイールなど |
| 強い所 | 軽い衝撃なら曲がって逃がせる | 耐久性、耐圧性、耐熱性 |
| 弱い所 | 紫外線や熱でひび割れ、硬くなる | 衝撃で曲がる、折れる。ナットが緩むことがある |
| 気をつける所 | ゴムの根元の状態 | 本体が丈夫でも、ゴムのパッキンは古くなる |
金属だから交換が要らないわけではありません。ブリヂストンは、金属バルブの空気を止める部分にはゴムのパッキンが使われていて、年数で密閉の力が下がることがあるとしています。走っている間の振動でナットが緩むこともあるので、見た目だけで安心しないでください。
金属バルブからゴムバルブに替えられる?
ホイールの穴と形によります。金属バルブの付いたホイールが、そのままゴムバルブを受けられるとは限りません。買ったホイールの資料を見るか、作業の前に店に聞いてください。見た目で選ぶより、そのホイールに合うものを選ぶのが先です。
バルブ交換は本当に必要?しないとどうなる?
今すぐ壊れるわけではありませんが、古いまま使うと、空気漏れの原因になります。バルブから空気が漏れて空気圧が下がると、次のようなことが起こります。
- 燃費が悪くなる:タイヤが変形して、転がるときの抵抗が増えます。
- タイヤが偏って減る:地面への当たり方が偏り、タイヤの寿命が短くなります。
- ふらつく、止まりにくくなる:曲がるときや、ブレーキをかけるときに影響します。
- パンクやバーストの危険が増える:空気の少ないタイヤは大きくたわみ、負担がかかります。
新しいタイヤに替えても、バルブが古いままだと、せっかくの新品がそこから空気漏れで傷むことがあります。「バルブは小さな部品だから、そのままでいい」とは言えないと思います。
バルブの寿命は?交換時期の目安は?
ブリヂストンは2〜3年を目安にしています。実際には、タイヤの交換のときに一緒に替えることが多いと思います。タイヤメーカーのダンロップやヨコハマタイヤは、ゴムのバルブは熱や紫外線で傷むので、タイヤ交換と同時に替えるのが理想としています。
| 場面 | 考え方 |
|---|---|
| タイヤを替えるとき | 一緒に替えるのが理想。作業も重なりません |
| タイヤを替えて2〜3年たった | 状態を見る。根元にひびがあれば替える |
| 炎天下の駐車が多い | ゴムは傷みやすいので、早めに点検する |
| ホイール付きで買った中古タイヤ | いつ替えたか分からないので、状態を見る |
| ホイールごと履き替えているスタッドレス | 冬のタイヤのバルブも同じように年数がたつ |
走る距離だけでは決まりません。ゴムの傷みは年数と置き場所でも進むので、あまり走らない車でも見てください。タイヤそのものの年数の見方は、タイヤのひび割れの記事に書いています。
バルブの傷みは、どこを見れば分かる?
キャップを外さなくても、見た目で分かることがあります。日本自動車タイヤ協会の点検の項目にも、バルブやバルブコアの変形、亀裂、腐食があげられています。
- 根元のひび割れ:ホイールに近いゴムの部分を見ます。指で軽く倒して、ひびが開くかを見ます。
- 傾き、曲がり:まっすぐでないときは、当たったり、ゴムが硬くなったりしていることがあります。
- ゴムの硬さ:ゴムが硬くなって、しなやかさがないときは古くなっています。
- キャップがない:いつからないか分からないときは、中に砂や水が入っているかもしれません。
- 金属バルブのさびや緩み:金属の部分の腐食や、ナットの緩みを見ます。
- 1本だけ空気が減る:同じ時期に入れたのに、1本だけ早く減るときは、原因を調べてください。
バルブから空気が漏れているか、調べるには?
石けん水をかけて、泡が出るかを見る方法があります。見た目では分かりにくい漏れも、これで分かることがあります。
- キャップを外す:なくさないよう、小さな入れ物に入れます。
- バルブの口と根元に石けん水をかける:スプレーや、ハケで塗ります。
- しばらく見る:泡が大きくなってくれば、そこから空気が出ています。
- 水で流して、キャップを戻す:石けん水が残らないようにします。
口から泡が出るなら中のコア、根元から出るならバルブ本体やホイールとの間が考えられます。泡が出ないから大丈夫とは限りません。タイヤの別の場所から漏れていることもあります。
バルブのほかに、空気が抜ける原因は?
| 場所 | 原因の例 |
|---|---|
| 地面に付く面 | 釘やネジが刺さっている |
| タイヤの横の面 | 傷、ひび割れ、ふくらみ |
| タイヤとホイールの境目 | リムのさび、変形、ゴムの硬化 |
| バルブ | 根元のひび、コアの不具合、キャップなし |
| 空気圧センサー | センサー付きのバルブの部品の傷み |
| 自然に減る分 | タイヤの空気は、何もなくても少しずつ減る |
釘が刺さっているなど、パンクのときはパンク修理のページを見てください。
バルブの根元から空気が漏れた。応急処置はある?
走らずに、空気を入れて様子を見られるなら、近くの店へ。減り方が早いならロードサービスを呼んでください。根元の漏れは、外からふさいで直せるものではありません。テープや接着剤で巻いても、走っているときの圧力と熱に耐えられるとは言えません。
- ゆっくり減る:指定の空気圧まで入れて、なるべく近い店へ行きます。
- 入れてもすぐ減る:走らず、ロードサービスに相談します。
- 高速道路で気づいた:安全な所に止めて、自分で作業せずロードサービスを呼びます。
- スペアタイヤがある:交換できる安全な場所なら替えて、店へ向かいます。応急用タイヤは、速度などの制限を車の説明書で見てください。
パンク修理キットの補修液は、基本的に地面に付く面の小さな穴のためのものです。バルブの根元の漏れに使えるものではありません。
タイヤを外さずに、バルブだけ替えられる?
基本的にはできません。ゴムバルブはホイールの内側から差し込んで付いているので、替えるにはタイヤの中まで手が入る状態にします。ブリヂストンも、交換にはタイヤをホイールから外す作業と、専用の設備や工具が要るとしています。流れは次のとおりです。
- 車を持ち上げて、タイヤを車から外す
- 空気を抜いて、タイヤのふち(ビード)をホイールから離す
- 古いバルブを抜いて、新しいバルブを付ける
- タイヤをホイールに戻し、空気を入れて、漏れがないかを見る
- 必要に応じてバランスを取り、車に取り付ける
コアだけの不具合なら、タイヤを外さずに扱えることもあります。ただ、原因がコアだけなのかは、見てみないと分かりません。金属バルブは外から締められる部分もありますが、パッキンを替えるとなると、やはり外す作業が要ることがあります。
自分でバルブ交換できる?工具を買えば簡単?
工具が売られていても、自分ではやらないでください。バルブは小さな部品ですが、タイヤをホイールから外すには専用の機械が要り、車を持ち上げる作業もあります。
- ジャッキの扱いを間違えると、大きな事故になります
- 無理にタイヤを外すと、ホイールやビードを傷めます
- 組み直すときに、空気を入れる力でタイヤが飛ぶ危険があります
- バランスを取らないと、走ったときに揺れが出ることがあります
- 空気圧センサー付きは、センサーを壊すことがあります
部品代が安くても、失敗すると高くつきます。タイヤの組み替えと同じ作業だと考えて、店に頼んでください。
バルブ交換の費用は?
バルブ代と、タイヤを外す作業代で決まります。タイヤと同時か、バルブだけかで大きく変わります。店によって違うので、次は考え方の目安です。
| 頼み方 | かかるもの | 考え方 |
|---|---|---|
| タイヤ交換と同時 | バルブ代。工賃に含む店もある | 作業が重ならないので、一番無駄がない |
| バルブだけ | バルブ代と、タイヤを外して戻す作業代 | 作業はタイヤの組み替えとほぼ同じ |
| 金属バルブ | ゴムより部品が高め | ホイールに合うものを確かめる |
| 空気圧センサー付き | センサーの部品や作業代 | 車や部品で大きく変わる |
ゴムバルブなら、部品は1本数百円くらいと案内する店が多いようです。ただ、含むものが店で違います。1本いくらかだけでなく、工賃や廃棄まで含めて、合計で聞いてください。
バルブキャップは、なくても大丈夫?
すぐに空気が抜けるわけではありませんが、付けておいてください。キャップは、砂や水が入るのを防ぐ部品です。ないまま走ると、中のコアに汚れや水が入り、空気漏れや腐食につながることがあります。日本自動車タイヤ協会も、空気圧を点検したあとは、漏れがないことを見て、キャップを締めるよう案内しています。
- なくしたら:カー用品の店などで買えます。サイズが合うものを選んでください。
- 色付きのアルミのキャップ:見た目はいいですが、腐食して固着し、外れなくなることがあります。
- 固着して外れない:工具で強く回すと、バルブが折れることがあります。無理をせず店に相談してください。
キャップだけの交換で直るのは、キャップがないときだけです。根元のひびや、コアからの漏れは、キャップでは直りません。
空気圧センサー付きの車は、何が違う?
バルブとセンサーが一緒になっていることがあります。直接式の空気圧センサーの車では、ホイールの内側のバルブの所にセンサーが付いています。タイヤを外すときに当てて壊さないよう、気をつけて作業します。
トヨタの説明書でも、タイヤをホイールから外すときは気をつけるよう書かれています。当店の組み替えは、空気圧センサー付きで1本1,100円(税込)の追加の料金がかかります。ゴムの部品だけ替えられるか、センサーごとかは車と部品で変わります。くわしくは空気圧センサーの記事にまとめています。
いつ見ればいい?点検の習慣は?
月に1回、空気圧を測るときに一緒に見てください。別々に時間を取らなくても済みます。
- 月に1回:空気圧を測って、バルブの根元とキャップを見る
- 洗車のとき:汚れが落ちると、ひびが見つけやすくなります
- 遠出の前:空気圧と一緒に見ます。旅先で空気が減ると困ります
- タイヤを替えるとき:バルブも替えるかを店に聞きます
- 縁石に当てたあと:バルブが曲がっていないかを見ます
空気圧は、タイヤが冷えているときに、車の指定の数字に合わせます。指定は、運転席のドアを開けた所などのラベルに書いてあります。空気圧が下がりやすい冬の前も、一度見てください。
タイヤ交換のとき、店に何を聞けばいい?
「バルブも替えますか」と聞かれたら、次のことを確かめてください。断るのも選べますが、あとでバルブだけ替えると、作業がもう一度かかります。
- バルブ代は工賃に入っているか。別なら1本いくらか
- ゴムか金属か。今のホイールに合うものか
- 空気圧センサー付きか。追加の料金はあるか
- 古いバルブを見てから決められるか
- 金額は、作業の前に教えてもらえるか
ホイール付きのタイヤをそのまま付け替えるときは、タイヤをホイールから外さないので、バルブも一緒には替えられません。替えたいときは、組み替えと同じ作業になります。
1本だけ傷んでいるときは、1本だけ替えていい?
バルブは1本ごとに替えられます。ただ、同じ時期に付けたものなら、ほかの3本も見てください。縁石に当てて1本だけ曲がったなら、その1本の話で済むことがあります。年数でひびが出ているなら、残りの3本も同じように古くなっています。
1本だけ替えるときも、タイヤを外す作業は同じようにかかります。あと1年か2年でタイヤを替える予定なら、そのときまとめて替えるか、今すぐ替えるかを、傷みの程度で考えてください。空気が漏れているなら、先に延ばさないでください。
スタッドレスをホイールごと履き替えている場合は?
付け替えのたびにバルブを替えることはありませんが、冬のホイールのバルブも古くなります。夏と冬で2組のホイールを使っていると、片方は長い間、倉庫やベランダに置かれています。走っていなくても、ゴムの部分は年数で傷みます。
- 履き替えのときに、4本の根元とキャップを見る
- 保管の前に空気圧を確かめ、次に使う前にも測る
- タイヤをホイールから組み替えるときに、バルブも一緒に替えるかを考える
ホイール付きとタイヤだけの比べ方は、タイヤのみとホイールセットの記事に書いています。
中古車やホイールを買ったときは?
見た目がきれいでも、バルブがいつのものかは分かりません。中古車は、タイヤが新しくてもバルブは前のままということがあります。納車のあとに、空気圧を測るついでに根元を見てください。
社外のホイールを買うときは、バルブが付いてくるか、別に要るかを商品の説明で確かめてください。組み替えを頼むときに、持ち込みのホイールにどのバルブが付くかを先に話しておくと、当日に部品が足りないということを防げます。
バルブと一緒に見ておくと良い所は?
タイヤの状態もあわせて見てください。バルブが古いと感じたら、タイヤも同じだけ年数がたっていることが多いからです。
- 溝:スリップサインまでの残りを見ます。
- 横の面:ひび割れ、傷、ふくらみがないかを見ます。
- 製造年:タイヤの横の4けたの数字です。「2524」なら2024年の25週目です。
- 減り方:片側だけ減っていないかを見ます。空気圧の不足が続くと、減り方に出ることがあります。
タイヤを替える時期が近いなら、そのときまとめて替えるほうが無駄がありません。タイヤ交換の時間の記事も参考にしてください。
当店の実例と料金は?
中古車販売店様からご依頼いただいたオデッセイでは、225/45R18のタイヤ4本の交換と一緒に、バルブ4本も交換しました。作業は1時間です。納車の前のお車で、タイヤが新しくなるのに合わせてバルブも新しくした例です。
タイヤの組み替えの料金は次のとおりです。組み替え、バランス調整、取り付けを含む金額です(税込)。
| タイヤの大きさ | 1本 | 2本 | 4本 |
|---|---|---|---|
| 12〜16インチ | 1,650円 | 3,300円 | 5,600円 |
| 17〜18インチ | 2,200円 | 4,400円 | 7,800円 |
| 19〜20インチ | 2,750円 | 5,500円 | 10,000円 |
| 21〜22インチ | 3,850円 | 7,700円 | 14,400円 |
4本は、まとめて持ち込んでいただくときの料金です。
薄いタイヤ、ランフラット、空気圧センサー付きなどは、追加の料金がかかります。全部の料金はタイヤ交換のページに載せています。バルブの代金は、作業の前にお伝えします。予約のときに「バルブも替えたい」とお伝えください。
よくある質問
- タイヤ交換のたびに、バルブも替えたほうがいいですか?
- ゴムのバルブは、タイヤ交換と同時に替えるのが理想とタイヤメーカーは説明しています。古いまま残すと、あとで空気漏れになったときに、もう一度タイヤを外すことになります。
- バルブだけの交換はできますか?
- 作業としてはできますが、タイヤをホイールから外すので、タイヤの組み替えと同じような作業になります。金額は店に聞いてください。
- タイヤを外さずに替えられますか?
- バルブ本体は基本的にできません。
- バルブの寿命は何年ですか?
- ブリヂストンは2〜3年を目安にしています。炎天下の駐車が多い車は、もっと早めに見てください。
- キャップがなくなりました。走っても大丈夫ですか?
- すぐに空気が抜けるわけではありませんが、中に砂や水が入るので、早めに付けてください。
- 金属バルブにすれば長持ちしますか?
- 本体は丈夫ですが、パッキンはゴムなので古くなり、衝撃で曲がることもあります。交換が要らなくなるわけではありません。
- 持ち込みのタイヤでも、バルブを替えられますか?
- 予約のときにお伝えください。バルブの代金は、作業の前にお伝えします。
タイヤの大きさと本数を、LINEで送ってください。作業の前に金額をお伝えします。