
先に結論
- 溝は、タイヤの接地面のどこを測っても1.6mm以上あれば基準を満たします。溝の中の「スリップサイン」が表面と同じ高さになっていたら、溝が1.6mmまで減った合図です。
- ひび割れは、「亀裂、コード層の露出等著しい破損」がないことが基準です。ひびの長さや深さの数字の決まりはなく、検査で状態を見て判断されます。
- ほかに、空気圧が適正であることと、タイヤが車の重さに耐えられることも基準に入っています。
車検に通るタイヤの溝は何ミリ?
1.6mm以上です。国の決まり(道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第167条)では、乗用車のタイヤの溝は、接地面の全幅にわたって、どの部分でも1.6mm以上の深さがあることとされています。
大事なのは「どの部分でも」という所です。真ん中の溝が残っていても、外側や内側だけが減っている「片減り」で、どこか1か所でも1.6mmを切っていれば基準を満たしません。
測る溝には、細い切れ込み(サイピング)や、スタッドレスタイヤの「プラットフォーム」、スリップサインの部分は含みません。
スリップサインはどこにある?どう見る?
溝の中にある小さな出っ張りが、スリップサインです。タイヤの横(サイドウォール)にある小さな「△」の印の延長線上の溝を見ると見つかります。1本のタイヤに数か所あります。
タイヤがすり減って、スリップサインが周りの表面と同じ高さになったら、その部分の溝は1.6mmまで減っています。告示でも、溝の深さはスリップサイン(ウエア・インジケータ)で判定してもよいとされています。
1か所でもスリップサインが出ていたら、そのタイヤは交換が必要です。
溝の深さはどうやって測る?
正確に測るなら、タイヤの溝の深さを測る専用のゲージ(デプスゲージ)を使います。溝に差し込むと、深さが数字で分かります。カー用品店などで手に入ります。
道具が無いときは、まずスリップサインを見てください。スリップサインまでの高さが少しでも残っていれば1.6mm以上あり、表面と同じ高さなら、使える限度まで減っています。
測るのは1か所ではなく、外側・真ん中・内側と、タイヤを少しずつ回して何か所かです。片減りしていると、1か所だけ浅いことがあります。
ひび割れがあると車検に通らない?
「著しい破損」でなければ、ひびがあるだけで通らないとは限りません。告示の基準は「亀裂、コード層の露出等著しい破損のないものであること」です。ひびの長さや深さの数字の決まりはなく、検査で状態を見て判断されます。
- 表面の細かいひび:ゴムが年数で硬くなると出てきます。これだけで通らないとは限りませんが、ひびが増えてきたら交換を考える時期です。
- 深い亀裂・中の繊維(コード)が見える・こぶのようなふくらみ:「著しい破損」に当たる見込みが高く、走るのも危険です。早めに交換してください。
ひびの段階ごとの見方は、タイヤのひび割れの記事にまとめています。
溝とひび割れのほかに、車検で見られるタイヤの基準は?
空気圧が適正であること
第167条には、空気入ゴムタイヤの空気圧が適正であることも入っています。車の適正な空気圧は、運転席のドアを開けた所などに貼ってあるラベルに書いてあります。
タイヤが車の重さに耐えられること
タイヤにかかる重さが、そのタイヤの「負荷能力」以下であることも基準です。タイヤを替えるときは、大きさの数字のあとにある荷重指数(「91H」の「91」)が、今のタイヤと同じかそれより上のものを選びます。通販で買う前に確かめたいことは、タイヤ交換のページにまとめています。
タイヤがフェンダーからはみ出していると通らない?
タイヤ(接地する部分)がフェンダーより外にはみ出していると通りません。国の決まり(細目告示 第178条)では、タイヤやホイールなどの回る部分が、その真上の車体(フェンダーなど)より外に出ていないことが基準です。
乗用車では、タイヤの横に浮き出た文字や、横を守るための出っ張り(リブ)の部分に限って、はみ出しが10mm未満なら基準に合うとみなされます。「10mmまではみ出してよい」のは、この横の文字やリブの部分だけで、タイヤそのものがはみ出してよいわけではありません。
幅の広いタイヤやホイールに替えるときは、はみ出さないかを買う前に確かめてください。
溝が残っていても、替えたほうがいいのはどんなとき?
1.6mmは「これを切ったら公道を走れない」という最低の線です。溝が浅くなるほど、雨の日に水をかき出す力が落ち、止まるまでの距離が長くなります。次のような場合は、車検に通る溝があっても交換を考えてください。
- 雨の日によく乗る、高速道路をよく使う
- スリップサインまでもう少しで、次の車検までに切れそう
- 作られてから年数がたっていて、ひびが増えている(作られた年はタイヤの横の4けたの数字で分かります。例:「2524」なら2024年の25週目)
- 冬にスタッドレスとして使う(冬用としての目安は、溝の中の「プラットフォーム」が出るまで)
車検の前に、タイヤだけ先に替えることはできる?
できます。車検の前にタイヤを替えておけば、車検の費用にタイヤ代が加わって、思っていたより高くなるのを避けられます。ネット通販で好きなタイヤを買って、持ち込みで組み替えることもできます。
当店の持ち込みの組み替えは、たとえば16インチまでの4本5,600円(税込)です。大きさごとの料金はタイヤ交換のページに載せています。
- LINEで送る今のタイヤの横の数字(大きさ)を送ってください。
- 状態と金額のお返事替えたほうがいいか、金額の目安と空いている日時をお伝えします。
- ご来店・交換持ち込みのタイヤを持ってご来店ください。
よくある質問
- スタッドレスタイヤを付けたままでも車検に通りますか?
- 溝の深さ(1.6mm以上)やひび割れなどの基準を満たしていれば、スタッドレスタイヤでも通ります。溝を測るときは、スタッドレスの「プラットフォーム」の部分は含みません。
- 4本のうち1本だけ溝が足りない場合は?
- 基準を満たさないタイヤは交換が必要です。前後や左右で減り方が大きく違うと、車の動きが不安定になることがあるので、同じ軸の2本(左右)はそろえて替えるのが基本です。
- 片減りしているタイヤは通りますか?
- 溝は接地面のどこを測っても1.6mm以上が基準なので、外側や内側だけが減って1.6mmを切っていれば通りません。片減りは空気圧など車の状態が原因のこともあるので、交換のときにご相談ください。
今のタイヤの大きさを送っていただければ、交換の金額の目安をお伝えします。